子育てひろば みどりのへや
川崎市麻生区にある専門職のいる子育てひろば
おすすめ本

【子育てブレスト】仕事の手法で子育ての課題をおもしろく捉えなおす!

子育てしていると、毎日いろいろな課題に直面することと思います。

「時間が迫っているのに、子どもがいつまでもお仕度をしない」
「子どもが寝付くまでに時間がかかって、ずっと付き合うことがしんどい」
「ついつい子どもに対していらいらしてしまう」
「帰るよって言っているのになかなか気持ちをきりかえられない」
「せっかく作った離乳食を食べてくれない」

などなど…。

子育ての「うまくいかないなぁ」や、「何でこんなことするんだろう?」という子どもの不思議行動に出会うことは、たくさんあると思います(ブログ管理人も2人の子どもにいつも翻弄されています)。

そんな時、ついつい子どもに「今〇〇をやるべきなんだからやってほしい」とか、「これくらいはできるでしょう」と期待する気持ちがむくむくと湧いてくることもあるでしょう。

子どものことを叱ってしまい、怒ってばかりだなあ、と後で自己嫌悪になる方がいるかもしれません。
また、言葉で伝えてもなかなか子どもが言うことを聞かず、対応に困っているかもしれません。

そんな時には、「発想の転換」で親の捉え方が楽になることがあります。
子どもも、ちょっと違う切り口で接する親を見て「おや?なんかおもしろそうだぞ?」と興味を持ってくれるかもしれません。

一歩引いた目で子どもと自分自身を捉えてみる

勝手に実況中継

①声に出さない場合

例えば「子どもが遊びから気持ちがなかなか気持ちが切り替わらない」場面を想像してみます。
「ご飯だよ」とか「席に座りなさい」と声をかけたくなる「いつもの自分」と、その自分と子どもの二人を俯瞰してみている「もう一人の自分」を頭に思い浮かべてみます。
そして、「もう一人の自分」が実況中継のアナウンサーになったつもりで、心の中でその状況をことばにしていきます。

『おぉっと、ブロックを積み上げて、次のブロックを乗せるか?片づけるか?……乗せましたー!』
『母は先ほどよりもイライラが一段階あがりました』『次の作戦をたてています』

…こんな感じで、脳内で自分の心情と子どもの行動を見ている第三者がいるように想像しながら実況中継していきます。声に出さないでも、すこし客観視できたり感情から少し距離がとれることもあります。

②声に出す場合

上記の場面では、実際に子どもの行動についての実況を声に出してみることもおすすめです。

『おぉ~つみあがりました~!』『さて、おもちゃ箱にはやく入れるのはどちらでしょうか』

怒り口調でなく淡々と実況中継されると、子どもも「なんだなんだ」といつもと違う対応に気づくかもしれません。そうして子どもが興味をもってくれたらしめたものです。声に出すことで、いらいらしている時の心の余裕のなさが、少し緩和されるかもしれません。ネガティブな心情の実況中継は「責められている」と感じてしまうかもしれないので、あくまで子どもの行動を実況するようにしてみます。管理人も時々この方法を使っています。

子育てブレスト

こんな風に、自分もいらいらせず、子どもも楽しく解決できる方法はもっとないだろうか…。

そう思っていた矢先にとても役立ちそうな本を見つけました。

その名も、『子育てブレスト』!

プランナー・クリエイティブデザイナーの「佐藤ねじ」さんと、手づくりおもちゃ作家の「佐藤蕗」さんの共著による本です。

皆さんは「ブレスト」という言葉、聞いたことがあるでしょうか。これは「ブレインストーミング」の略で、複数の人たちが一つのテーマについて意見を出し合い、新しい課題解決の方法を見つけていくというものです。著者の佐藤ねじさんは、企画やデザインの仕事をする中で頻繁にこの「ブレスト」をする機会があるそう。

子育てでうまくいかない時、子どもと親の主張がぶつかり合うことが多いです。そんな時、下記のように考えていきます。

①大人「お風呂に入りなさい」
②子ども「お風呂に入りたくない」

ここで、ブレストして第3の選択肢を考えることで、結果としてお風呂に入れることができます。たとえば…

③「あと10秒でお風呂のドアが開かなくなってしまう!」というゲームを発動

<佐藤ねじ・佐藤蕗著 小学館「子育てブレスト」より>

うまくいかないことがある時、新しい視点で違うことを試してみる。
これは「ブリーフセラピー」という心理療法で行われる、悪循環を断つ考え方にも通じるところだなと感じました。

子どもを「クライアント」と考えてみると視点が変わる。
これは、上記の「実況中継」にも通じますが、親の視点を変えることで目の前の問題を別の角度から捉えられ、一つの視点に凝り固まって問題や感情から距離がとれなくなる状態を防ぐのに役立つのではないかと思います。

こちらの本には「なるほど!」「おもしろそう」と思うアイデアが年齢別にたくさん示されています。

例えば。。

以下に「子育てブレスト」に載っていたアイデアの一部を紹介します。

<0歳のアイデア>

・泣き声デシベル…スマホで泣き声の音量を計測。大変さを数値化して気晴らしに。
・夜更かしNetflix…どうしてもやってくる夜間授乳。授乳中の大変さを軽減するため、捉え方を変える
・顔シール…チラシなどの「人の顔」をテープで床に貼って、はってはがす遊び道具にする

<1~2歳のアイデア>

・サウンド遊園地…滑り台やブランコ…いつもの遊具に大げさな効果音をつける
・1歳児ブートキャンプ…動き回る子どもの動きを真似ることで大人のトレーニングにもなる
・絵本の出張…子どもの写真をコピーし切り抜いて、好きな絵本に登場させる

どうですか?興味を惹くアイデアがあったのではないでしょうか。イラストとともにかわいくわかりやすく紹介され、「こういうやり方、ありだな!」と参考になる方法が見つかるかもしれません。

佐藤ねじさんのnoteでも、具体例が紹介されています。

問題が起こったら、ブレストで新しい視点を考えてみよう

本来複数人で行う「ブレスト」。ですが、子育てブレストは一人でも、夫婦でも、子どもを巻き込みながらでもできます。ちょっと違う発想はないかな、と考えてみる習慣をこれから作ってみませんか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ABOUT ME
Kashiwagi
専門職のいる子育てひろば「みどりのへや」の代表で、臨床心理士・公認心理師。2児の母。子育て中の親と子が「自分を大切に」思える社会になるよう、居場所づくりを大事にしています。
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