子育てひろば みどりのへや
川崎市麻生区にある専門職のいる子育てひろば
子育てについて

子育ての情報、どれが正しい?~時代に合わせるのではなく子どもに合わせた選択を~

突然ですが、自分が赤ちゃんだったり、子どものころの事って覚えていますか?

今育児をしている親世代の皆さんや、祖父母世代のみなさんが子どもだった時代を思い出してみてください。

育児は地域で助け合って関わり合うものから親が責任をもって行うものへ

もちろん、お読みくださっている人の年齢にもよるでしょうし、家庭や地域によって違うところはあるでしょう。いわゆるご近所さん同士の繋がりはどれくらい深かったでしょうか。

隣近所は顔や人となりをよく知っていて、相互扶助的な助け合いの関わりがあったかもしれません。子どもたちもその地域の中で自然発生的な異年齢集団の一員として、一緒に遊んだり、怒られたり、家庭や学校の外でも社会的な人間関係を通して学ぶ機会が多かったかもしれません。

私(ブログ管理人)は昭和の終わりごろに生まれましたが、相互扶助的な共同的な関係性はほぼ見られなくなっていて、すでに家庭中心で子育てを担う意識が強かったように思います。とはいえ、祖父母と同居していたので、祖父母世代同士の交流というのは地域の中であって、地域の一員というゆるやかな繋がりというのは感じていました。子ども会の行事に参加したり、夏はまだ日の出前の朝早い時間に起こされ、ラジオ体操へ毎日家族で出かけた記憶がおぼろげに残っています。

「令和」の子育ての雰囲気は?

時代は令和になり、今の子育ての空気感はどうでしょうか。もっと、家庭ごとに責任を任されるような雰囲気があるかもしれません。

地域や住む場所によっては、子ども会など繋がりが盛んな地域もあるかもしれませんし、同じ時期にご近所同士に引っ越してきた子育て世帯同士で交流や繋がりがある人もいるかもしれません。ただ、地域ぐるみで、多世代のご近所さん同士で顔を見せ合い助け合える関係性を築いている所は、少ないかもしれません。

祖父母世代は自分の時の子育ての経験を参照しながら関わったり、親世代にアドバイスをしたりすることもあるかと思います。でも、子育てのあり方は昭和のころとも、平成のころとも変化していて、新しい考え方や親の負担を軽減してくれる育児用品も増えてきています。子育てに関する知識は、時代とともにアップデートを繰り返しています。

何が合うか合わないか~答えは子どもの中にあり~

分からないことがあった時、スマホで調べると情報が得られるようになりました。便利になった反面で、しばしば「どの意見を本当に信じたらいいのか」分からなくなるといった意見をお聞きすることがあります。

時には、ネットの情報に加えて育児相談に何か所か行かれるような、熱心な親御さんもいらっしゃいます。でも、聞く人によって説明の仕方が違ったり、ネットの情報も一般論だったり、根拠があるものとないものが様々で、何が合うのか合わないのか、親御さんも道筋が持てずに混乱してしまうこともあります。信じられる見通しがほしい…それは、地域の共同体の中での子育てをしていた文化が終わり、親が子育ての責任を持つという時代になったからこと感じられる、切実な思いなのかもしれません。

子育てひろばでそんな話を伺った時には、「やってみてうまくいったやり方はあるか」「その子は関心があるのはどこか」について聞いてみることがあります。

これは日ごろのお世話の中で繰り返しその子に触れている親だからこそ分かることで、ネットには載っていないけれども一番大事な、確かな生きた知恵です。

親は子どもの「不快」のアラームを受け取って、試行錯誤しながらその不快の解消をすると以前の記事でお話をしました。そのお世話の過程の中で、その子自身にとって何が「受け取りやすい」か、「快」と感じるのか(好きそうなのか)ということも、分かってくるかもしれません。そうした所から、「じゃあ、これを続けていこう」「これを試していこう」の糸口が見えてくることもあります。

日ごろの子育てを振り返って、価値観の地図を徐々につくっていく

こうした日ごろの子育ての様子の振り返りは、家族の中だけでは難しいところもあります。子育てひろばや児童館等のスタッフに話を聞いてもらったり、振り返って考えるのを伴走してくれる第三者が誰かいるといいかもしれません。言葉になるところから…。他のお母さんとお話することや、紙に思いの丈を書いて、後で読み返してみることで気づきを得られることもあります。

お世話を通して得られた大変さや苦労、こうしたらうまくいった、こんな風にお世話を分担している(したい)といった実感は、まだ言葉になっていないものも含めて親にとっては生きた知恵になるものです。そうした実感の積み重ねが、それぞれの親の子育て感や、子どもの個性の理解へと繋がっていくと考えています。

時代や周りに合わせるのではなく、日々体験している実感と照らし合わせて情報を選択していくことが、親にとって、子どもにとっての道筋づくり、地図づくりに繋がっていくかもしれません。また今度参考の本を紹介しながら、記事の中でお話をしていきますね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

今日もお疲れ様です。無理せず、自分を大事にお過ごしくださいね。

ABOUT ME
Kashiwagi
専門職のいる子育てひろば「みどりのへや」の代表で、臨床心理士・公認心理師。2児の母。子育て中の親と子が「自分を大切に」思える社会になるよう、居場所づくりを大事にしています。
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