子育てひろば みどりのへや
川崎市麻生区にある専門職のいる子育てひろば
おすすめ本

自分が「ちっぽけ」に感じる子どもとその親に贈る本~味方だよって伝えたい~

前回、前々回と、自信がもちにくい子どもへの理解と対応について、私と娘の体験を一例としてお話してきました。今回はその続きとまとめになります。

<過去の記事はこちら>自信がもてない子どもに対して親ができること①

自信がもてない子どもに対して親ができること②~娘とのほめほめタイム~

自分を「ちっぽけ」という娘に伝えたかったこと

娘は私(母)にしかられたり、注意されたりした際に「〇〇(名前)のバカ」と自分を責めてしまうことがありました。また、「〇〇、ちっぽけ」と、まるで自分の周りには味方が誰もおらず、独りぼっちなんだと嘆くようなことばを、ぽつりと発することがありました。

「ちっぽけ」…そのことばを聞いた時、普段の娘とは違う、小さく座り込んで寂しそうにしている娘のイメージが一瞬浮かびました。何か勇気づけることばをかけてあげたい…そう感じて、

私は、長男(お兄ちゃん)と一緒に以前読んで閉まっていた一冊の絵本について思い出しました。

絵本『大きな世界のおちびのウィーニー』

不思議な生き物、ウィーニーが主人公のお話です。

ウィーニーは、あるいているととつぜん「ガーガーギーギーするところ」にでくわしました。そこは危険なものであふれていて、色々なものがかみついたりぶつかってきて、どうにもこうにもならないところにおっこちてしまいました。次第に自分を小さく、「ちっぽけ」だと感じるようになっていったウィーニー。その世界でいちばん小さなものからも襲われそうになり、逃れるために深くて暗い穴に隠れます。「もう、やんなっちゃう」とひとりつぶやくウィーニーは、ちっぽけでその場にいることしかできませんでした。

でもその後の展開で、ウィーニーは仲間たちに救われていきます。私も読んでいて心が温かくなった、その中の一説を紹介します。

「たいへんなことを自分だけでやってのけるには、あまりにひとりぼっちな感じだよね。でもさ、いっしょにってことば、きいたことないかい?」

「このいっしょって、ぼくを、あたまのてっぺんからつまさきまで、つよく、あったかい感じにしてくれるんだ」
(『大きな世界のおちびのウィーニー』より引用)

最後には「一人じゃないんだ」と力が湧いてくるような本になっています。


大きな世界のおちびのウィーニー (子どもの心理臨床2-2)

すでに売り切れになっているサイトが多いようですが、Amazonでは古本で取り扱いがあるようです。著者であるマーゴット・サンダーランド氏と翻訳の森さち子氏はどちらも子どもの心理臨床がご専門の心理療法家です。

現代の子どもが抱える心の問題をテーマ別に取り上げ、絵本と解説書で支援するシリーズの二作目です(今回は絵本のみ取り上げました)。

私は娘とこの本を読んでみました。娘のこころにどんな風に残ったでしょう…繰り返し読みながら、「いっしょだよ」というメッセージが伝わっていたらいいなと思っています。

また、親向けの書籍となりますがこちらの育児エッセイマンガもおすすめです。

育児エッセイマンガ『「どんな時でも味方だよ」って伝えたい!』

二児の母さざなみさんによる育児奮闘記です。元々家族に見てもらうために手書きで描いていた育児漫画をSNSに投稿したのがきっかけで、多くの人の共感を生みました。この本では長女さんが0歳~4歳の時までのできごとが書かれています。

取り返しがつかないことをしたとき 誰かを傷つけてしまったとき 自分で自分が許せないとき 子どもの人生にもいろんなことが起きるだろう どんなときでも母はあなたの味方だということを 簡単に絶望してしまわないように それだけは絶対に伝えておきたいと思っている。

  (『「どんな時でも味方だよ」って伝えたい!親子のコミュニケーション、試行錯誤中!』より引用)

私自身、娘が自責的な発言をした時に心から思いました。「どんな時でもお母さんは味方だよ」って伝えたいと。おそらく皆さんの中でもそんな気持ちになった方はいるのではないでしょうか?その思いにどんぴしゃなタイトルで思わず手にとりました。

しかもこの本は、「こういう時にはこうした方がいい」「こうすべき」というハウツーが書かれている訳ではなく、さざなみさん目線で、目の前の子どもとの対話の中で、自分たちなりに合ったやり方を見つけていく過程が書いてあるのがおすすめポイント。

さざなみさんの感性がとても豊かで、どんな風にお子さんをとらえてどんな風にお子さんと対話したのか、親目線で共感できるポイントも多いです。

ほめルール、叱る時のルール、ありがとう、ごめんなさいと言う意味…色々な場面のことが描いてあり参考になります。読み終えたとき、私も目の前のこの子のことをちゃんと見ていきたいなと改めて前向きに感じることのできる本でした。育児はいつでも子どもに合わせて試行錯誤していくもの。でも、親も子もその過程で成長していくんですよね。

まとめ

子どもがどんな状況なのか、何を望んでいるのか。

気になる行動や言動をきっかけに理解しようとし、試行錯誤しながら子どもに合う方法を探していく、そのことは子どもにとって大事なプレゼントになると思います。

なぜなら、その試行錯誤の奥にある、「味方だよ」「ちっぽけじゃないよ」というメッセージはきっと子どもにも伝わると思うから。

三回に分けてのお話となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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ABOUT ME
Kashiwagi
専門職のいる子育てひろば「みどりのへや」の代表で、臨床心理士・公認心理師。2児の母。子育て中の親と子が「自分を大切に」思える社会になるよう、居場所づくりを大事にしています。
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