子育てひろば みどりのへや
川崎市麻生区にある専門職のいる子育てひろば
子育てについて

自信がもてない子どもに対して親ができること②~娘とのほめほめタイム~

前回の記事で、「自分がバカ」など気になる言動が増えた娘に対して「どう考えたらよいか」、整理したことについて書きました。

今回はその続き。娘と一緒に「何ができそうか」を考え、実際に取り組んでみたことについて共有していきます。

親である「私」は何を伝えたいか

前回の記事の最後で、「娘は何を望んでいるか?」を理解することについて書きました。親として、娘が望むことをしてあげたいと思うのは自然な気持ちだと思います。

ただし、娘のことばや行動から「娘が望んでいそうなこと」と、親である「私自身」が「どうしたいか」ということはそれぞれ分けて考える必要があります。それぞれ別の価値観を持った一個人。娘について考えている「私」は今どんな気持ちなのか…落ち着いて一旦考えてみました。(気になること、もやもやがある時は頭の中だけでなく書き出してみることで自分の気持ちを距離をもって見つめることができました)

私の中からは、「娘の応援者でいたい」、そして「あなたはバカじゃないよ」「お母さんはあなたの仲間だよ。味方だよ」ということを娘が実感できるように伝えたい。

そんな思いがでてきました。

娘とのほめほめタイム

私が伝えたいことを、娘にどんな風にして伝えられたら…

そんな時二つのことを思い出し、ヒントにしてみました。

・ひとつは、娘の幼稚園の授業参観に行ったときに見かけた、「今日のほめほめ」という掲示。

・もうひとつは、娘が発した「〇〇(名前)、ちっぽけ」ということばから連想された一冊の絵本です。

「今日のほめほめ」

幼稚園の教室の壁に、花丸と児童の名前が書かれた金色のおりがみが何枚か張られていました。これについて担任の先生に聞くと、クラスで「ほめほめタイム」をすることがあるとのこと。先生は児童たちにその日「ほめほめ」なことをしていた子がいるか尋ね、「ほめほめ」したい子がいる児童は手を挙げてその子の名前とほめたいことについて発表します。そして、呼ばれた子のことをクラス皆で「ほめほめ~」と称えるそう。その日名前が挙がった子たちの花丸が壁に掲示されていたのでした。

その花丸の中の一つに娘の名前のものもありました。それを見つけた私は娘にも見たことを伝え、「良かったね」と伝えました。その時娘がとても嬉しそうで、誇らしそうな顔をしていたのを思い出したのです。

幼稚園で行っている「ほめほめタイム」を真似て、家でも「ほめほめタイム」をやってみたらどうだろう?直感で思い立ち早速実行してみました。

毎日ほめほめ

娘が自分に対してネガティブなことを言った時、聞いてみました。

「今、〇〇ちゃんは自分で自分のことをバカって言いたくなっちゃうくらい、自信が少なくなっているのかもしれない」

「〇〇ちゃんは自信をもっと持てるようになりたい?」

すると娘は「うん」と頷きました。

「自信が少ないと、自分のいやなところばかり見えちゃうかもしれないけど、〇〇ちゃんのいいところ、がんばっているところはいっぱいあるよ。そういうところをお母さんも一緒に見つけていきたいな」

「今日からお母さん、毎日10個〇〇ちゃんのことほめほめする!」

そう宣言し、毎日ほめほめタイムを始めました。初めは照れ臭そうにしていた娘でしたが、嬉しそうな様子で、次第に食い気味で「今日のほめほめは?」と聞いてくるようになりました。このほめほめを始めてからの変化としては、「じゃあ…あの時〇〇したのもほめほめだね」と自分を肯定することばが出てきたこと、「次は〇〇がお母さんのほめほめを言うね!」と他者を肯定することばが出てきたことです。また、「自分はバカだ」と発言する回数も減りました。

やってみて、親としての気づき

「ほめほめ」をするときに気をつけていたのが、

・本当に思っていることをほめる(無理して「ほめ」をひねり出したり、大げさにほめそやしたりしない

・過程をほめる(ここまで頑張ったね、や、これをやろうとしたんだね、等)

という点で、「ほめる」からと言って「いい」「悪い」のジャッジメントにならないように気をつけました。ゆくゆくは、ポジティブなきもち、ネガティブなきもち、全部自分なんだって認めていけるようになってほしいから。

毎日ほめほめを続けて、自分自身も少し変化がありました。肯定的なところに気がつきやすくなったり、肯定することばを使うようになったり。「毎日10個」じゃ足りないくらい、色々なほめほめが見つかること。それだけ、普段ことばにしてこなかったんだな、ということに気づきました。

長くなってきたので、続きとまとめは次回の投稿でお話ししたいと思います。もちろん、「ほめほめタイム」は万人にとって良いもの、という訳ではないかもしれません。あくまで私の娘の性格や価値観、言葉でのやりとりがどれくらいできるか、これまでの経験、親である私の価値観を合わせて考えて取り組んでみた一例です。ただ、このように、その子その子によって、良かった(好きそう)と思われることを参考として取り入れてみることは変化のきっかけになることもあるということで、ご紹介してみました。

子どもについて気になることがある時、どうしたらよいか、考えたらよいか、個別性が高いものかと思います。ご質問などありましたらコメント欄にお寄せくださればと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

ABOUT ME
Kashiwagi
専門職のいる子育てひろば「みどりのへや」の代表で、臨床心理士・公認心理師。2児の母。子育て中の親と子が「自分を大切に」思える社会になるよう、居場所づくりを大事にしています。
人気ブログランキングでフォロー フォローよろしくお願いします!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です