子育てひろば みどりのへや
川崎市麻生区にある専門職のいる子育てひろば
子育てについて

依存先~心の回復ポイント~を増やすこと

「自立とは依存先を増やすこと」

脳性まひを持ちながら、医師、研究者として活躍され、大学でも教鞭をとられている熊谷晋一郎さんの言葉です。

熊谷さんは「自立とはどんなものにも頼らず生きていることではなく、普段の生活で依存先をたくさんもっていることなのだ」と話しています。

これは子育てにも当てはまる言葉だと感じました。

産後の心と身体の変化

産後は、お母さん自身身体の回復に時間がかかります。身体だけでなく、心も不安定になりやすいです。赤ちゃんを「ケアする」存在でありながら、お母さんが「ケアされる」必要もあります。

ただこの時期、周りにうまく頼れないというお母さんも多いです。「自分がうまくやらなきゃ」「自分がお母さんなんだからしっかりしなきゃ」と自分を追い込んでしまうこともあるかもしれません。

私も第一子の出産後は「力の抜きどころ」が分からず、里帰り中も、里帰りを終えてからも、心はいっぱいいっぱいでした。

妊娠、出産して「母」になったことで身体はどんどん変わっているけど、心は追いつかないような感覚でした。
ある時、母乳トラブルで乳腺炎一歩手前になり、おっぱいが岩のようにガチガチになり、泣きながら、自分の身体の変化に動揺しながら、やっと家族に「痛い‥」と呟いたこともありました。子育ては自分の意思ではどうにもコントロールできないこと、うまくいかないことがあるいうことを実感した瞬間でした。

依存先~安心できるつながり~

この記事を読んでくださっている方にはどんな繋がり(依存先)があるでしょうか?

例えば‥
自分の親や家族、友達、ママ仲間、お気に入りの場所、同じ趣味や関心を持つ人たちの集まり‥(オンラインの繋がりもあるかもしれません)などでしょうか。

3歳未満児のいる家庭の約7〜8割は家庭を中心に子育てをしているという調査があります。(厚生労働省HPより)

人との繋がりが家庭だけになると、特に昼間はお子さんと2人きりだったり、ちょっとした不安や大変さを共有できず孤立感を感じてしまうこともあるかもしれません。

自分が心地良い、安心できると思える繋がりを複数持っていると、毎日の子育ての中でも心の回復ポイントが増えるかもしれません。
場所だけでなく、好きな香りや、スイーツや食べ物、音楽などの好きなもの、寝ることなど、自分が心地よくいられること・ものを生活の中で取り入れていくことも心の安定に良いかと思います。

また、私自身が子育ての中で救いになったのは、地域の産後・子育て支援の場に行って、人に会うことでした。その場所の一つが子育てひろばでした。

子育てひろば~地域で親子を支える場所~

子どもが生まれるまでは知らなかった場所。どんな場所なんだろうと不安になりますよね。

でも、地域にある子育て中の親子のための場所は、行ってみるとウェルカムな雰囲気であることが多いです。

私も、子育てひろばで偶然その場にいた他のお母さんと話しながら、同じような子育ての悩みを他の人も持っているんだということを知りました。近所に住んでいる同じお母さん同士の知り合いができたことで、「次もまたここで会おうね」と緩やかな繋がりができたりもしました。

赤ちゃんと同じく親も0歳で、1年生。右も左も分からないところから子育てが始まります。本に書いていないことが急に起こってきたりもします。他の人と子育てについて話したり話を聞いたりしながら、「お母さんなんだからしっかりしなきゃ」という思いが「完璧にやろうとしなくてもいいんだ」と少し緩く変化し、子育てへの構えも柔らかくなっていった気がします。

このように、子育てひろば(子育てサロンという場合もあります)で出会うスタッフさんや他のお母さんたち、他者の存在がいることで、気持ちに変化が生まれることもあります。

子育てひろば「みどりのへや」でも、お母さん同士のつながりができたり、専門職のスタッフにその時々の思いを話される中で、少し気持ちが軽くなったと話される方もいます。

近くにどんな場所があるだろう?

子育ての中で、常に元気や安定を保つことって難しいです。寝不足感がある場合は少しでも寝られる時間や休息をとることが必要になってきます。

ちょっと外出できそうな時は、外の空気を吸ったり人と何気ないやりとりをすることで不安や沈んでいた心が切り替わるきっかけになることもあります。

子育てひろば、子育てサロン、サークルなど地域の中には色々な場所があると思いますが、雰囲気や内容は様々です。

地域で配布されている子育てマップなどで、自分の住むところから近いところでどんな場所があるか、行ってみたい所があるかチェックしてみるのもおすすめです。
実際でかけてみて、雰囲気や居心地、自分に合う場所かどうかを感じてみるのもいいかもしれません。

子育て中はお子さん中心の生活になりやすいですが、お母さん自身ほっと肩の荷がおろせるような場所が見つかっていくといいですね。

ABOUT ME
Kashiwagi
専門職のいる子育てひろば「みどりのへや」の代表で、臨床心理士・公認心理師。2児の母。子育て中の親と子が「自分を大切に」思える社会になるよう、居場所づくりを大事にしています。
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