こんにちは。子育てひろばみどりのへやblog管理人の柏木です。
子どもの困った行動にどう対応したらいいのか、どんな風に声をかけたらいいのか…
子育ては迷うこと、試行錯誤することの連続だと思います。親と子のコミュニケーションに関してもそうです。
迷った時、指針になる方法は専門家によりいくつか提唱されています。
そのいくつかの方法についてこれからブログでも紹介していきたいと思いますが、その一つめとしてPCITを取り入れた子育てについてお話していきます。
PCIT(親子相互交流療法)
聞きなれない名前かと思います。PCITとは、Parent-Child Intaraction Therapy(親子相互交流療法)の略で、「言うことを聞かない」「乱暴」「落ち着きがない」などの問題行動のある子どもと育児に悩む親の治療法として1970年代アメリカで開発されました。PCITは遊戯療法(プレイセラピー)と行動療法に基づいた心理療法で、遊びを通して親子の相互交流を深め、セラピストと一緒にその質を高めることで子どもの心や行動の問題、親の育児の悩みを改善に導いていく方法です。詳しいセラピーの手続きは「PCITから学ぶ子育て」に載っていますので、興味がある方は参考にしてみてください。
特徴的なのは、コーチングの要素を取り入れながら、親が声掛けの仕方をスキルとして学んでいくところです。親子が一緒に遊ぶところを別室でセラピストが観察し、具体的な関わりをコーチングしていきます。客観的な行動レベルで親子の変化を継続的に評価し、ステップを踏んでスキルを身につけていくことができます。
日本には2008年に導入され、各地の児童相談センターや大学、クリニック等の専門機関で採用されています。(日本PCIT研修センターで、受けられる機関を調べることができます。オンラインでの子育て支援も同ホームページでされているようです。)
ここまでの説明で、「PCITって、特別な人が受けるもの」「心理療法ってハードルが高い…」と思うかもしれません。しかし、PCITのエッセンスは問題行動がある子どもと悩みがある親だけでなく、普段の育児にも取り入れやすく、子育てする親子全般に役立つものだと管理人は感じました。PCITの考え方は、日ごろの子育てにその視点をプラスすることで、少し俯瞰した目で親としての関わり方を振り返ることができるように思ったからです。
PCITトドラー
標準型のPCITは元々2歳~7歳の子どもが主なターゲット(~12歳ごろまで効果があるとも言われています)で、問題行動の改善を主な目的としています。ですが「もっと早い月齢から育児に取り入れたい」という声を基に、2歳までの子ども向けのPCITとして、「PCITトドラー」という方法も開発されました。こちらは、より「予防」を目的としている点が特徴です。
「1日5分!PCITから学ぶ0~3歳の心の育て方」という本を参考にしながら、次の章に1日5分の特別な習慣について書いていきます。もし「やってみたい!」と思う方がいたら、普段の育児にも取り入れてみてくださいね。
1日5分!親子の「特別な時間」
セラピーとしてPCITを受ける時には、宿題として家でやってもらう「ホームセラピー練習」があります。これをベースに、ふだんの育児にも取り入れる方法が提案されています。この「特別な時間」の5分間で、親は子どもに届きやすい言葉で交流することを意識し、子どもは自分がリードして遊べている感覚を持て、楽しみながら親への信頼感をより強くすることができます。
親子が1日5分、一対一で遊ぶ
下準備として、普段使っているおもちゃを中心に、いくつかのおもちゃを並べて置き、テレビやラジオなどは遊びに集中できるように消しておきます。5分間遊びに集中できる状態か、子どもの機嫌や親自身の状況を確認します。親も落ち着いた気持ちで行えると子どもにもその落ち着きは伝わります。深呼吸をしてから始めるのもよいでしょう。
スタートを宣言する
まず、「〇〇ちゃんがママ(パパ)と一緒に遊ぶ時間だよ」と子どもに伝えます。
タイマーを5分にセットする
スマホのタイマーでもいいですし、キッチンタイマーでもいいです。5分後にタイマーが鳴るようにセットし「特別な時間」を始めます。
親子で遊ぶ
子どもにたくさん声をかけて、たくさんほめながら一緒に遊びます。声のかけ方についてここで二つのスキルに留意しながら関わります。
・PRIDEスキル…行いたい言い方(Doスキル)
・Don’Tスキル…避けたい言い方
この二つのスキルが肝になってくるのですが、これらは次回の記事で詳しく紹介していきます。
タイマーの合図で遊びの時間終了
タイマーがなったら「今日の<特別な時間>は終わりです」と子どもに言って終わります。すぐに切り替えが難しい子もいるかもしれませんが、時間が終わる1~2分前に「もうすぐ<特別な時間>はおしまいだよ」と声をかけておくと、心の準備がしやすくなることもあります。
さいごに
これまで育児の中で取り入れられるPCITについて紹介してきました。次回は「特別な時間」の中で使っていく具体的なスキルについて紹介します。
PCITについて深く知りたい方はこちらも参考になります
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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