子育てひろば みどりのへや
川崎市麻生区にある専門職のいる子育てひろば
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地域の中にある居場所~みんなのロフト~

みなさんには、地域の中に「行きたくなる」「好きな」場所はあるでしょうか?

何となく「ほっ」とする、居心地がいい、無理しなくていい、癒される、元気が充電できる感じ…など。

居場所はただの物理的な場所というよりも、一人一人にとって心理的な意味合いを含んだ「安心できる」場所なのだと思います。今回はそんな「居場所」について色々な視点で書いていきたいと思います。

(最後に居場所のお知らせがあります!ぜひ最後まで読んでくださいね)

居場所と「安心感」

居場所ってどんな場所だろうと考える時、大切になってくるものの一つが「安心感」であると私は考えています。則定(2008)も、心理的居場所について「こころの拠り所となる関係性、および、安心感があり、ありのままの自分が受容される場」と定義しています。

ありのままの自分が受容されるって、どんな感じでしょうか。

ある企画が用意されている場に参加する、または、授業など決まった内容のものに参加を求められる場所と違って、何かをやってもいいし、やらなくてもいい。または、企画はあるけど、それに参加しなくてもしなくてもいい。色々な過ごし方が認められる「自由」がある空間と言えるでしょうか。どんな過ごし方をしていても、受け入れてくれる人がいて、否定されない、心理的に抱えられている空間、とも言えるかもしれません。

居場所と「自己効力感」

その場所がその人の「居場所」と感じられるためには、上に述べたように、「その場所では自分は受け入れられる、否定されないという『受容感』」がまず土台にあるのだと思います。西川(2017)はまた、居場所に必要なものとして、「受容感」と、「できる」という感覚を持つ「自己効力感」、そして何らかの役割を通して「役に立っている」と思える「自己有用感」を挙げています。

例えば、「ここで〇〇をやりたい」という過ごし方も、「話には参加しないで見ていよう」という過ごし方も、いろいろな過ごし方、いろいろな在り方があって、自分のペースで自分の心地よいあり方を主体的に選択できる場所、そういう場所で自己効力感は育まれるのかもしれません。

「共助」の実践の場としての居場所

荒(2023)は、自身のコミュニティづくりの事業の中で、「ネイバーフッド=住まいから歩いていける程度にある距離」に注目しました。

近い範囲のなかで、近隣の誰かと互いに存在を認知し、いざというときに頼れる相手や場所があるような地域の関係性を育む「共助」の関係性づくりは、子育てにおける孤独や、単身で暮らす高齢者の増加、自然災害時の助け合いなど、私たちの身近にある社会の課題を具体的に解決する力となるかもしれません。

私たちが「これに参加したい」「やってみたい」という関心や興味は人それぞればらつきがあるものです。その地域に住む人が、どういった場所であれば参加しやすいか、したいと思うか。どういった人が興味をもってくれるか。場づくりをする人が、そこに住んでいる人や地域のことを調べ、巻き込んで対話していくことを重ねていくことで、地域のニーズを把握したり「助け合える関係性」の糸口が見えてくるのだろうと思います。

地域に「誰でも来られる場所」を作ってみる~みんなのロフト~

文献を引用しながら少し難しい話が続いたかと思います。ここで一つ、今度新しく始める場所のお知らせをさせてください。

私、みどりのへやの管理人が住む地域に、あるスペースがあります。そこをお借りして、また、近隣の地域で居場所づくりの活動を継続されている「マチノパズル」さんと協力して、ある居場所を始めてみることにしました。

そこは一階がかき氷屋さんの二階のスペース。「よみらんbase」と名付けられています。二階で、普段は使われていない時間もある、秘密基地のような、屋根裏部屋のような場。ここを訪れた人がほっとできる場所にしていけたら。。そんな思いで、「みんなのロフト」という名前を付けました。

みんなのロフトの詳細

日時:2024年6月23日(日)11:00~17:00 予約不要、入場無料です。
場所:よみらんbase(神奈川県川崎市多摩区西生田1-14-2)
小田急線読売ランド前駅北口を出て信号を渡り、左手に向かって徒歩2分。「不思議なかき氷」のお店の入り口を入って、階段を上がった2階の場所になります。
スタッフ:かっしー、つっきー、あっきー

・フリードリンク(コーヒー、麦茶)あり
・駄菓子販売あり(有料)
・畳スペースあり(絵本、ボードゲームなど用意しています)
・くつろげるソファ席あり
・親子で利用可
・臨床心理士とお話できます

大人も子どもも、親子でも、一息ついたり、くつろいだり、日ごろの気になることや話したいことを一旦置きにこれるような場所になるといいなと思っています。まずは一回目。来てくれた方と対話しながら、この場所を地域の人と一緒に作っていきたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

【参考・引用文献】
・則定百合子 青年期における心理的居場所感の発達的変化 カウンセリング研究41(1),p64-72, 2008
・西川真理子 居場所の条件―高齢者の居場所から大学生の居場所を考える― 流通科学大学高等教育推進センター紀要,p61-74,2017
・荒昌史 都市部のコミュニティに共助の文化をどのように育むか (中嶋ら(編)スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版Vol.5 コミュニティの声を聞く。)SSIR JAPAN,p121-122,2023

 

ABOUT ME
Kashiwagi
専門職のいる子育てひろば「みどりのへや」の代表で、臨床心理士・公認心理師。2児の母。子育て中の親と子が「自分を大切に」思える社会になるよう、居場所づくりを大事にしています。
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