皆さんは、自分自身の好きなこと、楽しいこと、大変なこと、色々なことを共有できる相手はいますか?その相手には、自分の心の中の本音を見せることができるでしょうか。
この世に、完璧な人はいません。人は誰しも、得意なこと、苦労していること、苦手なところ…生まれ育っていく中で色々な個性が表れてきます。それらを自分で受容できている場合もあるし、自分のいやな所を何となく受け入れられない人もいるでしょう。
人からの評価を気にせず、ありのままを話せることって、実は難しいことなのかもしれません。
「苦手さ」に気づいてくれた人
「しっかりしていそう」「できる人なんだろうな」と周りに思われたり、言われたりして、そんな「周囲が期待する自分」でいなきゃいけないのではないかと感じたり、知らず知らずのうちに自分を周りに合わせる行動をとったりする場合もあるかもしれません。
本当の自分は、期待された自分とは実は違う。そう思っていても、それが知られてしまうと、悪く思われたり、がっかりされるのではないか…。仕事であれば、評価を落とすのではないだろうか…。色々な心配がよぎって、無理をしたり、一人で頑張ろうとしてしまうこともあると思います。
「実は、ちょっと苦手なんでしょうね」
あることについて話をしていた時、知り合いからこんな風に言われたことがあります。その人は、自分がどんな話をしていても、流さず話を聞いてくれる人。また、会話の中で私が相手に合わせようとしたり、ちゃんと本心から話していないだろうという時は、それにそれとなく気がつきます。「それってどういうこと?」そう聞かれて自分の心に問いかけてみると、自分の心が実はあまり動いておらず、頭だけで話していたのだと気づくことがよくありました。
本音って、大事な部分だからこそ言えなかったり、覆い隠して話すこともできてしまう。
でも、話の本質を掬い上げるような所があるその人だからこそ、私が自分でも「苦手だって言ったらいけないんじゃないか」という部分にしっかり光をあててくれ、「実は、ちょっと苦手なんでしょうね」と声をかけてくれたのだと思います。
それを言われた時、人によっては「なんでそんなこと言われなきゃいけないんだ」「批判された」と思うかもしれません。
私自身は、言われて思わず「そうなんですよ」と同意し、力が抜けるのを感じました。あ、この人に対しては無理しなくていいんだ、ありのままが話せるのかもしれない、そう感じました。それは、それまでの関係性がそうさせていたのかもしれませんが、私の弱いところも、格好悪いところも含めて受け入れてもらっている、そんな安心感のある感覚でした。
聞いてもらったという感覚が、自分から発信する力になる
自分自身の本音には気づきたくない場合もありますが、心の覆いを取ってみていいんだ、と実感するようなポジティブな体験に繋がることもあります。
自分の話を批評したり評価せずに受け入れてくれる相手には、自分から発信したいと思うことも増えるでしょうし、良い意味で人に「頼れる」ようにもなっていきます。「自分が頼ってばかりではだめ」かというと、そうではありません。「聞いてもらった」経験をしている人は、心の余裕が生まれて今度は他の人の話を聞けるようにもなります。
こちらの本にも、「聞かれる」ことで「聞く」ことができるようになるということについて、腑に落ちる例がたくさん示されていました。
人にありのままを「聞いてもらった」という感覚は、孤独感を減らし、自分の心の余裕を作ったり前向きな力になっていきます。
自分で自分の「実はね…」を聴くこともできる
ありのままを受け入れてくれる「誰か」は私にはいない、という方もいるかもしれません。近くにいる人は、近くにいるからこそ、ありのままがさらけだせないという場合もあるかと思います。その関係性を、無理に変える必要はありません。
まずは、自分自身が自分のよいところだけでなく、苦手や不得意なところについても知って気づいていくこと。日常で感じている自分の本音に気づいていくこと。これが初めの大切なステップです。
日記のような形でもいいですし、書きなぐってみてもいいですし、マインドマップのように書いてみるのもいいかもしれません。自分の思っていることを文字にして可視化してみて、「自分、こう思っているんだな」「よく頑張っているな、自分!」と自分で自分に声をかけてみることもおすすめです。
今回はありのままを受け止めてくれる人との繋がりの大切さ、書き出してみることで自分のありのままを自分で受け止めてみることについて話してきました。感想などあれば、気軽にコメントなどくださるとうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。